夢のなる木

朝、戸を開けるとそこには小さな木が生まれていた。その木に願いをかけると、その木は夜夢を見るという。そんな木を前に私はすこし苦しい気持ちでいた。

私の夢を届けていいのかしら。私の夢をこの木は見てくれるのかしら。

平生とした自分に戻って、おどおどとした自分を取り繕って、私は外に出た。

大丈夫。大丈夫なんだ。

心が寂しくなってきた。私って一人なんだな。