内的揺動。

内的揺動という経験が問題になっている。内的揺動は自分の造語である。

内的揺動は学習と制作の間で現れる、身体の感触的変化である。それは、身体の内部感覚である。

身体の内部感覚はその場その場で変化する。そして、最も変わるのが、創造性を発揮する場面だろう。

作るということは、自身の内部記憶を表現物を使って外化することである。それは、記憶の排出である。記憶を外に出した瞬間、経験が前に動く。その動く瞬間に内的揺動が起こり、経験内部で、新たな経験の予感が出現する。そして、その予感を進むことが、経験の拡張になる。

 

経験を拡張し続けていくことの中で、新たな自分になり続けていく。その新たな自分になる過程で、内的揺動が起こっている。そして、そこで創造的意味の生成が起こっていく。創造的な意味内容は、認識されることにおいては認識的な意味内容ではあるが、外的対象の認識による意味ではない。また、感情や欲求のような内的対象の意味内容でもない。そうではなく、新たに意味が創造によって構成される瞬間に、自身の経験に出現する意味内容なのである。そして、そうした意味内容を構成していくことが、自己制作、自己拡張になっていく。

 

自己を拡張することの中では、新たな知が表現行為の中で出現してくる。それは、知の獲得であると同時に、身体の更新である。そうした更新の中で、新たな経験を私たちは生きていくことになるのである。